先般、働かせるべきは、ケトン体エンジン!という記事を書きました。
では、ケトン体エンジンについて、少し詳細にお話しします。
1.ブドウ糖は人間のエネルギーであるが、唯一ではない
体に入る糖質を少なくすると、どんな事がおきるでしょうか。糖質の摂取をストップするといっても、最後の食事で摂取したブドウ糖がまだ血中に残っていますので、それをエネルギー源に使えます。これを「ブドウ糖エンジン」と呼ぶことにしましょう。(一部の出典を参考にしています)
しかし、血中のブドウ糖は2時間もあれば枯渇します。
次は、人間は肝臓にグリコーゲンを溜めていますので、それをエネルギー源として活用します。
でも、それも12時間ほどしか持ちません。それが枯渇すると...
ここで、人間は、やっとメインのエネルギーに脂質を使うようになります。
具体的には、中性脂肪が肝臓でグリセロールと脂肪酸に分解されます。
グリセロールはブドウ糖に変わります。このブドウ糖は「ブドウ糖エンジン」としてエネルギー源になります。
脂肪酸のほうは、そこからさらにケトン体が作られ、実はこの「ケトン体」も「ケトン体エンジン」として重要なエネルギー減になるのです。
この時点で中性脂肪は分解されていますので、体脂肪が減って、体重が減ることになります。
痩せようと思えば、糖質を制限して、中性脂肪を分解せざるを得ないような状況を作るのが、手っ取り早いのです。
つまり、人間がメインで使うべきは「ケトン体エンジン」なのです。
糖質制限を正しくやれば、「ケトン体エンジン」という人間本来の力を引き出すことができるのです。
2.ケトン体エンジンの魅力は、そのパワーと持続力
ケトン体エネルギーは、ブドウ糖エネルギーよりも持続力が長くパワーも大きくなります。
ハンガーノックは怖くない
マラソンやロードバイク経験者、長期間体を動かすスポーツを従事する人は、ハンガーノックという状況に陥ったことが一度くらいはあるはずです。その原因は、事前やレース中などに摂取したブドウ糖が枯渇したから、と言えますが、それは100%正しいとは言えません。
スタート前にきちんと糖質を取っていたが、ブドウ糖エネルギーは持続力が短いため、1~2時間ほどで枯渇します。その時に、肝臓に蓄えたグリコーゲン使いますが、それも2時間ほどで尽きます。そこで、ケトン体エンジンが働けば、人間は継続して運動を続けらるのです。
しかし、糖質を常時摂取している人は、ケトン体エンジンをうまく使えません。
なので、補給ジェルなどを定期的にとらないと、その日の体調にも左右されますが、急に力が出なくなり、ハンガーノック状態となるのです。
なので、糖質が不足したからハンガーノックになった、のではなく、糖質不足を補うケトン体エンジンをうまく使えないからハンガーノックになった、というのが正しいと思います。
これを回避する方法として、「カーボローディング」をするランナーやロードレーサーも多いです。
これは、レース前になるべく大量のグリコーゲンを肝臓にを貯めておこう、という方法です。
これも一理ありますが、やはり、脂肪を燃焼させてケトン体をエネルギーとする、という方法ではありません
プロも理解しているケトン体エンジンの持続力
もしも糖質よりもパワーがあり、しかも体脂肪としてたくさんため込める脂肪をエネルギーにできれば、人間は長時間動き続けることができるはず。実際にサッカー選手はこのことを意識して、ケトン体エンジンを活用できている人がいます。
(1月31日にセリエAからトルコ ガラタサライに移籍が報じられた、Nさんなど。最下部の書籍内にお名前が登場しています)
脂肪なら60kgの人が体脂肪20%とすると、12kgも脂肪を溜め込める。脂質のエネルギーは糖質の2倍ですから、人間が何十時間も連続で運動することも可能なエネルギー量です。
このエンジンを、本当に飢餓になった状況(山で遭難して水しか飲めないような状況)になって致し方なく活用させるのか、常日頃から活用できるようにしておくかで、その人の身体は大きく変わってきます。
ケトン体にはまだまだ良い効用が
また、ケトン体には抗炎症作用、抗老化作用、抗酸化作用、抗ガン化作用があるともいわれいます。これらについては私も医者ではないので、詳しくは書きませんが...。
興味のある方は以下の書籍をごらんください。
「ケトン体」こそ人類史上、最強の薬である 宗田哲男 カンゼン

「ケトン体」こそ人類史上、最強の薬である 病気にならない体へ変わる?正しい糖質制限?
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