走りながら考える~人生は長いマラソンだな~

無理な背伸びはしなくていい。嫌いなこともしなくていい。できることを仕事にしよう。できないことは諦めろ。気が進まないことも断ろう。好きなことをやろう。今日が人生最後の一日でもOKなように。

そもそも人はなぜ太るのか

そもそも人はなぜ太るのでしょうか?

その「正しいしくみ」を知ることが、ダイエットへの第一歩です。

1.カロリー神話の崩壊


これまで、人間はカロリー過多で太ると考えられてきました。
カロリーの高い肉や油を摂ると太りやすいといわれていました。

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しかし、それは間違いです。

アメリカではカロリーの高いものの中で、特に脂質に注目し、1970年代から30年かけて脂質の摂取量を減らすキャンペーンを実施したらしいです。しかし、逆に肥満率は14.5%から30%以上に倍増しました。」(人類最強の「糖質制限」論 江部康二)
理由は、脂質を減らした結果、結果的に摂取食物の中で糖質の割合が増加してしまったのです。

また、アメリカでは経済格差も開いていっています。
実は、炭水化物は脂質を含む肉などの食料よりも、単価が安いのです。
よって、たくさん食べたいという欲求が、お財布に優しい炭水化物を含む食品を選ぶことにつながり、肥満が助長されます。

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なので、炭水化物に多く含まれる「糖質」を減らさなければ、肥満は一向に減らないという状況にやっと気づくことになりました。そこで、ロバート・アトキンス医師が、「アトキンスダイエット」という糖質制限療法を推奨し始めました。

いまでは、現代人は、「糖質」を摂りすぎるから太る、と考えるのが正しい時代です。
糖質は炭水化物に含まれています。

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炭水化物=糖質+食物繊維

砂糖も当然糖質。果糖やショ糖、ブドウ糖も糖質です。


2.糖質を摂ると太る仕組み


糖質を摂ると、血中のブドウ糖の濃度を示す「血糖値」が上昇します。

ブドウ糖は体を動かすエネルギーです。
しかし、糖質を摂りすぎて高血糖状態が続くと、人にはそれをエネルギーとして溜めておこうとする能力を使います。その主役がインスリンというホルモンです。インスリンは肥満ホルモンと呼ばれます。

糖質は体内に入ると肝臓でグリコーゲンにされ、肝臓に蓄えられます。そのグリコーゲンは12時間で枯渇するといわれており、蓄えられる量に限りがあります。そこで、インスリンがグリコーゲンを脂肪に変えてしまうのです。

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1日3食ともに糖質をしっかりとり、間食でも甘いものを食べて糖質を常に体に入れ続けいていると、肝臓に蓄えられたグリコーゲン(筋肉にも蓄えられるらしいですが)は常に満タンの状態。そのため、
「引く受け手がなくなった血糖は、最終的にインスリンの働きにより脂肪細胞へ回され、中性脂肪に合成されて、体脂肪になります」(人類最強の「糖質制限」論 江部康二)

 

3.そもそも人類は糖質に頼っていなかった?

 

人間は過去何百万年も、少ない糖質しか摂取していませんでした。
狩猟生活で肉食がメイン。たまに手に入る果物などからの糖質は、貴重なエネルギー源。

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そこで、いつ訪れるかもわからない飢餓のピンチに備えて、肝臓に蓄えきれないグリコーゲンを中性脂肪に変えて長期間溜めておけるようにする、という能力が備わったのです。現代と違い、不猟であれば数日間食事にありつけないこともあったかもしれません。その時のために、人間は中性脂肪としてエネルギーを貯める能力があり、それは、飽食の時代になる前までは、我々人類を救ってきたのでしょう。

4.現代人はむしろ「糖質過剰」

狩猟時代の人類は、ごくわずかの糖質しか摂取していなかったのです。
主に狩猟により肉食をしていた人々は、時に野草や果物・木の実から糖質を補給していたと考えられますが、現代人に比べると圧倒的に糖質が少ない食生活をしていました。


700万年ともいわれる人類の歴史。


肉食を開始したのが250万年前...。


ホモサピエンスと言われる現生人類が現れたのは20万年前。


農耕を始めた(稲作を始めた)のは1万年前のようです(中国で遺跡有り)
(以上諸説あります)

「昔から日本人は米を食べてきた」
「出されたものは全部食べるのが健康法だ」

こんな言い方もありますが、そもそも庶民がお米を腹いっぱいに食べられるようになったのっていつでしょう?
実は、日本の多くの研究では、第二次世界大戦後、としています。
戦後の物不足から高度経済成長に舵を切る、1960年頃とされています。

そして今や、白米のほかに、精製された小麦粉から作られるパンやうどんなど炭水化物がいつでも安価に手に入る時代です。人工精製された果糖が大量に入っている炭酸飲料、コンビニなどでいつでも手に入るスイーツ。

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そうです、いまは完全に糖質飽食の時代、糖質過剰な世の中になったのです。

 

このような状況で、毎日米を食べ、好きなように甘いものを摂取し続ければ、そして当然狩猟なんかに行かずデスクワークばかりとなれば、太らないほうがおかしい、時代なのです。

この飽食の時代は、1960年説(上述)に基づくとたったの60年です(日本の場合)。


稲作が日本で始まったのは2500年前らしい。(諸説あり)
それより前の人類、日本に人類がたどり着いた何万年も前、ホモサピエンスから数えても、19万年間は糖質は十分にとっていなかったはず。
さらに遡ると、人類は何百万年もの長い時間を少ない糖質で生きてきたのです。

現代人のここ半生記ほどの食生活は、人類の歴史では、急激に「異常な糖質過多」に陥っている、と言わざるを得ません。

 

5.糖質を摂らなかったら、エネルギーはどこからくるの?

 

では、現代になって「唯一のエネルギー」と言われているブドウ糖(糖質)がとても少ない中で、人類はどうやって狩りをやってたのでしょう?脳に必要なエネルギーというブドウ糖が、現代人と比較してとても少なかったはずなのに、彼らの脳はどうやって発達したの?どうやって体の器官を動かしていたの?

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それは、人間には外から摂取したブドウ糖をエネルギーにするエンジン(ブドウ糖エンジン)以外に、
ケトン体エンジン
という素晴らしいエネルギー製造システムを持っているからなのです。


このエンジンこそ、溜め込んだ脂肪を分解し、エネルギーに変えてくれるシステムです。人は、このシステムを働かせなければ、痩せることができません。

ケトン体エンジンについては、また以下をご覧下さい。

www.guchiyama.tokyo

 

お付き合いいただき、ありがとうございました。