最近は、よく外を回っております。
飛び込み営業じゃないですよ。若者の未来を支える大事な仕事なんだよ(もったいぶってるが、まぁ、人材紹介というか(;^_^A なんだろね)
で、大久保から北新宿あたりで用事をすませ、先方と分かれて、ふと、メシでも食おうと。
グーグル先生に聞いたら、大久保あたりにたくさん出てくるけど、10分以上歩くしな~。で、近くに、伊勢屋、って出てきた。写真を見る限り、昭和感がフルで充満している昔ながらの食堂。でも口コミがすごく良い。いろんなおかずや小鉢が選べるかな?ご飯は食べなくてもいいかな?
最近よくある、○○食堂なんていうチェーンのお店、低糖質なおかずを好きな組み合わせで選べて重宝するからね。そういうシステムだといいな~と思って、歩く。
歩ていると、なにやら市場っぽいところを壁沿いに歩く。なんか、市場の中なのかね?それはちょっとあり得ないだろ、と思って、市場の壁に沿って歩いていくが...。
でもなんだかグーグル先生はひたすら市場の中を指している。
そこで、あれ?っと思った。
なんだか市場の中のわかりにくい店って、孤独のグルメに出てたよね?
淀橋市場... あらら、まさにここじゃないの?
これはすごいところにたまたま行きついちゃっている。
てことで、踵を返して市場の南の入り口へ。ドラマの情景を思い出しながら、多分こっちだなと歩く。ここはマジで市場の中。
南門から入って右へぐるりと回り込んで、建物沿いに歩く。ほどなく、ああ、やっぱりあったよ、伊勢屋!
この佇まい...。一見さんには何だか入りにくい...。てか営業してるのかな?
そっと入り口の引き戸を開けると、うわ、結構たくさんの人!
「いらっしゃーい」と元気に迎えられた。
案内された席で、お茶か水かを聞かれ、お茶を所望。
定番の壁に張ったメニューは、生姜焼きとか、いろいろ。
黒板を見ると手書きで、アジフライ定食、ゆでニシン定食、小鉢もいろいろ。明太子、トマトの酢漬け(これってゴローが食べてたよな)
で、ん?「ゆで」ニシンって珍しいね?よし、それ行っちゃおう。
きました、ゆでニシン。思ったよりちっちゃいなと感じたが...
いやはや、一口食べると、もう、ふわっふわっ!
ぎりぎり火が通ったくらいで、なかはプリプリ感も残っている。
生姜のすりおろしがたっぷりかかり、醤油だけかけて食べるんだが.....
素材のおいしさとうまさが、生姜と醤油で引き立って、ホクホク幸せになってしまうではないか。ほろりほろりとほぐれるニシンの身を大切に箸でつかんで口に運ぶ。
あ~ ゆでただけでこんなにおいしくなるのですか、お魚って?
そうだ、ここは市場だ。素材が良いから、シンプルな料理が美味いんだ~
となりのアジフライ定食の兄ちゃん二人も思わず
「お、ふわふわ。こんなふわふわなんや!アジフライ!」と言ってた。
むむむ、ゴローなら、「すみませ~ん。アジフライ、単品で」って追加するパターンだな。
少な目でお願いしたご飯も、丼の中で少な目に盛られているだけなので、茶碗一杯以上あるよ。でも、今日はしっかり食べた。糖質制限崩壊気味の僕には、もう怖いものはない(大丈夫か、俺)
お茶を継いでくれた給仕のおばさんに、「ニシンがふわふわでおいしかったです」と素直に感想が言えた。すると、厨房に向かって「お客様がニシンおいしいっていってくれてますよ~」とわざわざ伝えてくれた。恥ずかしいなぁ( ´∀` )。
厨房で忙しそうに働く年配の男女お三方が、「ありがとうございまーす!」と気持ちの良いお返事。給仕のおばさま曰く、「にしんをこの形のままふっくらゆでるのは、結構考えてやっているみたいなんですよ。初めて出したんですよ、ゆで、というニシン。ふつうは煮つけちゃうんだけどね」とのこと。
ゆでる、その一つの行為でここまで美味しい料理に仕上げる。
大衆食堂チックなお店だが、料理人の腕前は相当なものなのではないか。
安くてうまいはたくさんあるかもしれないが、安くて本物の料理、は多くないだろう。
すごいところに来てしまった。
市場や近所の体力仕事の常連さんに交じって、僕みたいな「孤独のグルメ」聖地巡礼みたいな人もいるにはいるが、本物を知る常連さんがこの店を育てたのだろう。
好きなお漬物を6つから選び、味噌汁がついて750円。税込。大衆価格だ。
次はほかのメニューにもトライしたい。
わざと、北新宿に訪問先をつくっちゃうかもね。
本当に、出会えてよかったお店です。