2月25日(金)の10時、約束の2~3分前に、私はこの契約の代理店であるR社についた。
駐車場を探そうとすると、すでに女性が道路に出ていて、私を迎えてくれた。
駐車場に案内してくれた。
駐車料金を払います、といったが、それはお断りした。
彼女がR社のI社長だろうか。しかしやけに人がいい。愛想がいい。
「お母様にはいつもお世話になっています」と私に言う。
案内されたビルの2階へ階段を上る。
案内されたのはRサロンというところ。何のサロンなのか。
中にはさらに女性が3名いる。
正直なところ、もしかしてヤ○ザ系の強面のおっさんがいる可能性もゼロではない、と思っていたが、結局今日会うのは女性4名のようだ。
部屋の中で最初に名刺を出してきた人、この人がI社長か。
黒髪で、今いる4名の女性の中では最も背が高く、恰幅もよい。経営者然とした雰囲気がある。ボス登場感もあるな。
先ほど私を迎えてくれたのがAさんで、母の20年来の友人だった。そうかこの人がAさんか。見るからに善良そうな一市民という感じである。
そこから約2時間、彼女たちのとのやり取りがあった。
長くなるので、今後数回に分けて報告します。
しかし、結論からまず述べます。
■結論
R社I社長は「和解には応じられない」とのことでした。
当然ですよね。O弁護士に教えられたとおりに書いてきた和解契約書を見せるまでもなかった。
I社長の言い分は以下の通り。
・VISION社(以下V社)のビジネスは収益を上げている。
・V社はすでに存在していないが、収益は仮想通貨ビカシー(BKSH)としてすべての契約者のスマホアプリに存在している。
・ハコ母さんの収益は、毎月34万円がここから引き出されている。お母様は操作できないので、ちゃんとAさんが代わってお母様に支払っている。(これまで合計約280万円)
・ハコ母さん自身がお決めになったことである。ご自身でR社に来られて説明を聞いた。その後も数パック同時購入で値引きはありますか?という質問もいただいた。ご本人の意思で契約された。あくまで本人の意思です。
…ということだそうです。はぁ…。
■私はやっぱり闘いを続けたい。
私は、心の中では、すでにO弁護士に和解の依頼をしようと決めている。
待っていれば毎月34万円振り込まれ、あと2年強で合計1200万円が支払われるはずである(彼女たちの話を信じれば)。しかしそれまでにこのビジネスが破綻するリスクがある。少なくとも最初に契約した927万円のうち、残り644万円をとりかえすために、私は成功報酬を100万円ほど弁護士に支払うことになるかもしれない。しかしそれは私自身が負担してもかまわないので、この闘いに臨みたいと思う。
この日出会った彼女たちからすれば、「黙って34万円を毎月もらっていればいいのに…」と思うだろう。もしかしたら2年間はなんとかこの自転車操業ビジネスが継続して、母の分は戻ってくるかもしれない。しかし、この限りなくクロに近いビジネスからこれからも毎月の支払いを受け続けるというのは、私は我慢がならない。今この瞬間も、VISION株式会社から名義を換えた会社が同じ契約で新たな被害者を生んでいる可能性があるし、後述する暗号資産(仮想通貨ビカシー)なるものへの投資を勧誘されて資金をつぎ込んでしまっている人々も多くいると思われる。この負の連鎖を止めるまでは無理かもしれない。しかし善良な人々が騙されて搾取されることが前提で、2年間も毎月返金を受け取り、収益をもらい続けるなんて、良心が許さないのです。
収益をもらい続けることが、犯罪に加担していることになる。
そもそも、「黙って収益をもらい続けることを選ぶ」ということが、V社をはじめとするこの詐欺集団の思う壺なのだ。
■詳細やり取りは以下の通りです。長いので数回に分けると思います。
面談者 I社長、Aさん(母の友人)、Kさん、Hさん
()内記述は私の補足説明や感想です。
◎ライセンスパックという商品について
ハコ:この、「ライセンスパック」は母も商品を見たことがないと言っているのが、どこにあるのか。
I社長:エルシーテレコムは韓国の会社。そこが海外にレンタルしている。
アメリカ、インドネシア、カンボジア、バングラ…
契約者が選ぶのではなく、エルシーテレコムが選ぶ。ハコ母さんは委託契約をしている。
(「レンタル契約内容」という説明資料はあるが、「委託契約書」は見せてもらえないし、どこにあるかもはっきり言わない。I社長の挙動を見るに、そもそもI社長も見たことがない可能性があると感じた)
独自に開発したアプリである。(見せてほしいとお願い)
見せられないことはないけど…(iPadを出し他のメンバーの助けを借りながら見せてくれた。その2など次回以降で後述)
◎消費者庁の注意喚起
I社長:ネットの情報がすべてではないのです。
V社は消費者庁の注意喚起で動けなくなったんです。事業ができないのです。これでは被害者が出る。過去の契約者に滞りなくできるように考えた。しかし行政処分を受けて振り込みができない、口座が凍結されたりして、なので暗号資産に交換して、すでにいっぺんに残りの支払いを済ませている状況です。暗号資産としてお母様のスマホのアプリにも入っているんですよ。見られたことはありますか?
Aさん=母を勧誘した友人:このアプリに入っているんです。ハコ母さんもお持ちですよ。(と画面を見せてくれた。そうなんですね~、ととりあえず話を聴く)
◎契約について
ハコ:この契約書を読ませていただきました。誓約書などにもサインさせられていまして。この契約について教えてください。
I社長:
お母様がご自身の意志で連絡をされたんです。お金が増えるならやってみたいと。
私たちもやってるし、私たちの家族も理解して投資していますし。
この書類に対してもお母様ご自身で記入されている。
消費者庁の話もお聞きと思いますが、私たちも困っていて。V社が消費者庁の命令で営業ができないので…。
なので、6月23日に残りの金額が一括でアプリ上にすでに振り込まれているんです。36回に分けて払いますよという金額をエジソンウォレットに振り込んでいます。手数料が10%かかるので、その金額は上乗せされた形で入っていて、それを両替、トレードという形で、お支払いできている。実際は毎月22日から月末までの間に、そこで操作をするが、1か月遅れにはなるが、1~2週間ぐらいかかるので、それが翌月には支払われることになっています。
制限がなくて一度95万円という3か月分を引き出してお母様にお振込みしたことがある。(確かに95万円入っている月がある。2021年8月13日に952,193円)
そのあと制限がかかったので、毎月34万円という金額を支払っている。
それを私たちがお世話させていただいているのです。安心してください。
(その1終わり)
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今日は、ここまでとします。
次回は、かなり支離滅裂な、暗号資産(仮想通貨ビカシー)についての話です。
(つづく)