走りながら考える~人生は長いマラソンだな~

無理な背伸びはしなくていい。嫌いなこともしなくていい。できることを仕事にしよう。できないことは諦めろ。気が進まないことも断ろう。好きなことをやろう。今日が人生最後の一日でもOKなように。

しゃべらない人たち

新幹線に乗車した。
15番Eに座るつもりだった。

18,17と歩き、15番にたどり着く前に、一つ間違えて16番Eに荷物を置いてしまった。

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私は上着を脱ぐなどして着席の準備をする。

ふと後ろを見ると、若いお兄さんが17番でたたずんでおり、私の方を見ている。


「どうしたのかな?」と思ったが、シートに腰を下ろそうとして気づいた。


(あ、一つ間違ってる。僕の席は一つ前の15番だ)


私は

「申し訳ありません。間違っていましたね。」
と言った。

 

...


若いお兄さんは何も言わない。無表情である。

(...?聞いてる?聞こえなかった?私の声が小さかったかな)


彼は、怒りの表情もない。困ってもいるように見えない。ただ17番のシートの場所で立っている。無表情だ。


私はまた言った。少し大きな声で。
「すみませんでした。慌ててしまいまして💦(笑 愛想笑い)」


迷惑かけまいと、ささっと移動して15番に荷物を置いた。


ちらっと若いお兄さんを見た。お兄さんは、やはり何も言わない。


何事もなかったかのように16番のシートのスペースに入り、腰を下ろした。

 


私のことは見えていないのだろうか。
何も聞こえないのだろうか。
ただ、黙ったままで最低限の所作で動く、そんな感じ。

 

私はしっかりと声を出し、お詫びし、彼の返事を待った。

一回だけの会話のキャッチボールは少なくともあるだろうと思った。


しかしお兄さんは全くの無反応だった。
彼は黙って私の後ろに座っている。

スマホを取り出し、一人の世界に入っている。

 

こういう人は増えているのだろうか。

 

静かなお兄さんだったが、
私の背もたれにくっついている収納式のテーブルの出し入れにはなぜか力をこめるので
私の背もたれはそのたびに揺れた。
同じく私の背もたれの裏にある彼用の網目のポケットに
ペットボトルか何かをグイっとツッコむので、
私の背中にはグリグリっという感触が伝わる
たとえ眠っていても、おそらく目が覚めるだろうな、という強さだ。

 

私は彼に、全く認知されていない


まるで私は存在すらしないかのよう。

 

こういう人は増えているのだろうか。