初青梅マラソン。
2日間連続のインターバル効果で、脚はめちゃくちゃに重い。走る前に不安は感じていたが、走り始めたら、想像した以上に重い!4:15ペースで入ろうとしたら、4:20かかる。少し登りがきつくなった3kmほどでは、更に減速、4:30くらいかかる。
後ろからスタートのY氏に声を掛けられる。4:20くらいで登ってるんだと。
「Y氏よ、俺を置いて行ってくれ!俺は4:30も怪しいんだ(//∇//)」
言われなくても置いて行くよ、てな体で、彼は颯爽と駆けて行った。
俺は何をやっているのか。重い足でも、かつてこんなに走れないことがあったろうか?2週連続サブスリーをやったのは、1年3ヶ月前だ。そのときだって、2週目のレースも前半もちゃんと走ってたよ。30kmから撃沈したが、それでも2時間57分でまとめた。
それが今は高々2日間追い込んだだけで最初からサブスリーペースが無理なんて!もう俺はランナーやめたほうがいいんじゃないか?
どんどん抜かれる。スタートがかなり前だったが、それでも抜かれすぎだろ!私ぐちやま1人だけ、進んでいる時間が違う。一向に周囲のペースが落ち着かない。同じペースで走ってくれないのだ(//∇//)
これは身体のどこか不調でもあるのか?知らない内臓の病に侵されているとか…。足の筋肉が落ちているとか、え?まさか糖質制限ダイエットが原因で筋肉落ちた?(ウソ?マジでそれは勘弁)
走りながら足をマジマジと見てみると、うむ、たしかに絶好調の昨シーズンよりひ弱いかもしれないぞ?
ああ、もう俺は終わった…
悲しい時間が流れる。サブスリーできて、そしてさらに記録を伸ばすのが生き甲斐だったのに。仕事を続ける原動力だったのに!齢43にして、もうそれは夢と幻となり、俺のランナー人生は暗黒の時代を迎えるのだ…。
登り坂ばかりだが、少しの下りもある。そこならなんとか4分10秒くらいでいけるかな?
ところが、それも全く無理。下りでも4:20くらいじゃね?
「なんじゃこりゃあぁぁぁ!」
15kmの折り返しが近づく。Y氏が反対車線から声を掛けてくれた。折り返しまで相当な距離だった。1km ぐらい先に行かれたか。ううむ…。厳しい現実に打ちのめされる。
折り返した。
誰かが「よっしゃー!」と叫んだのが聞こえた。
そうか、ここからは下り、ここまでくればどうにかなるぞと彼も自分を叱咤激励しているのだ。声をあげたくなるほど、後半の方が攻められるコースなんじゃないか?
で、攻めようとした。
たしかに、想像以上に下りがきつい。
登っているランナーを見ると「よくそんな登り頑張れるな〜」と思ってしまうほど。さっきまで自分も登ってたんだが。
やや急勾配で下っている。
しかし、ペースは上がらない。
下りで4:15くらいまで持っていけるようになるが、たまに現れる登りで急減速。4:50くらいかかる時も(泣。給水に寄ると、5:00超えも!なんだ俺は!何やってんだ。
ていうか、どうやってスピード出すのかも忘れてしまった。
そうだ、ツイスト走法だ!
(詳細は下記リンクにある)
参考図書:マラソンは「骨格」で走りなさい - サブスリーランナーぐちやまのマラソン日記&走るお遍路日記
上半身と下半身を絞って(ツイストして)走る。着地はフォアフットだ。昨日のインターバルから、足のバネがなさすぎて怖かったが、もうこうなったらやるしかない。2日間排泄してなくて体も重いが、もう、そんなこと言ってられない。あと10kmくらいなら、どうにかなるだろ。
登りで減速は相変わらずだが、それでも「すり足ゴリラ走法」(小出監督)を思い出し、効率よく前傾姿勢&すり足で登る。下りはもうタイムは見ないが、4:10切るくらいになってきた。周囲のランナーがだんだん遅く見えてきた。やっと逆襲だ。下りでフォアフットで攻めるのは勇気がいるが、前をひたすら捕獲して行く。よし、調子が出てきた!
前に読んだこの本↓。すり足ゴリラ走法(←ネーミングは適当、覚えてない( ノД`)
上り坂は、ゴリラのように手を下げて、すり足で、前傾姿勢で平地のつもりでピッチ走法で軽々と登る…だった、と理解している。
そして、この本を読んで実践し、成功レースはネガティブラップだと確信した。これで私は16年10月の上海マラソンで2時間52分を切った。

30キロ過ぎで一番速く走るマラソン サブ4・サブ3を達成する練習法 (角川SSC新書)
- 作者: 小出義雄
- 出版社/メーカー: 角川マガジンズ
- 発売日: 2013/11/09
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さあ、ネガティブやってやるぞ。残り5km 、本当はここで4:00以内で全力、が元々数日前に建てたプランの目標ペース。しかし、この時点まで5km22分かかっており(レース後にラップで確認した) 、完全に失敗レースだが、最後だけでもやってやろうじゃんと、ネガティブやってやろうと、少し力がみなぎってきた。
幸い?前半は足が重すぎて、足の力を消耗しきれなかったようだ(情けないが)。心肺も、どうも余裕がありそうだ(そりゃそうだ、5km22分だもんな)。補給もちゃんと取った。沿道の応援団からチョコレートももらった。なんかパワーが出てきた!
糖質補給ってやっぱり大切なのか!フルマラソン20回近く走ったのに何を今更と思われる向きもおられると思うが。
GPSウォッチは見ずに、感覚に任せて走る。なんだか4分ちょっとのペースがわかってきた。ゼーゼーハーハーと少しオーバーペース気味だが、感触は悪くない。どんどんランナーを抜き去る。追いすがる奴はいるが、いずれ落ちて行く。いまぐちやまの前後左右の集団のランナーで、今間違いなく、俺が一番速い。
4分すら切ってきた。平地になっても足は動く。なぜ今更動き始めるのか?不思議だ。
「あ、あの人速い!」
「おい、1**番!アゴ引いて頑張れ!」
俺を呼ぶ声が聞こえてくる。応援の声に励まされる。沿道で叩かれる和太鼓のリズムとピッチがシンクロしてペースが上がる。多分、ゾーンに入った。これで最後まで突っ走れる。
ラスト1km余り。グレーヘアのランナーとデッドヒートになった。2人で他の選手をどんどん抜き去る。最後の直線で刺された。でも、お互い讃えあった。あなたがいたから頑張れたと。
タイム的には不甲斐なかった。重い足で臨んだにしても、ひどいタイムだ。2時間12分57秒。別大の30km通過タイムより5分以上遅い。恐らくこんな遅い30kmのタイムは初めて。
しかし、最後の5kmの20分切りに、自分自身が救われた。ネガティブラップ。ラスト5kmで160人抜いていた。
打ち上げで、2時間ギリの仲間の中で肩身は狭い。でも近々、必ず復活したい。
絶望と、少しの希望の間で大きく揺れた、濃い1日だった。まだ諦めなくても良さそうだ。まだまだ、走り続けたい。
マラソンって、不思議なスポーツだ。奥が深くて、謎の多いスポーツだ。終わりがない旅を、楽しんでいきたい。もっと速くなりたい。(終わり)