走りながら考える~人生は長いマラソンだな~

無理な背伸びはしなくていい。嫌いなこともしなくていい。できることを仕事にしよう。できないことは諦めろ。気が進まないことも断ろう。好きなことをやろう。今日が人生最後の一日でもOKなように。

第6日 34.8km 累計278.9km

すでに2週間経ってしまいました。第6日目をアップします。第1タームの最終日です。

当初は第28番大日寺までの予定でした。しかし今日は第27番神峰寺まで約35kmをゴールに設定。そのふもとの唐浜(とうのはま)駅から電車で高知市内まで戻り、深夜高速バスに乗る予定。お尻が決まっているので、急がねばなりません。

 

6:45に民宿うらしまを出発。北斗晶似の女将さんが、有名な善根宿リストをくれた。心遣いがうれしい。

宿を離れる際に、「あら短い金剛杖だわね~ そんなのあるの?」とおばあさんが声を掛けてくれた。伸びるトレッキングポールに手書きしたんですよ、と説明をすると、

「わー だまされた~ よくできてはる」と褒めてくれた。

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マジック書きですが、遠目にはきれいにみえるようです。

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アマゾンで見つけたのですが、唯一の本体が木製の伸縮性トレッキングポール。

第一番霊山寺売店のご主人も、「こりゃいいわ、これは商品化したら売れますよ!」と言ってくれていたなぁ。走るお遍路にとって、この軽くて伸縮自在な金剛杖は最高の相棒でした。88番札所で結願すると、金剛杖をお供えして帰ってくる習慣もあるようですが、私はできませんね。これは愛用し続けます。

さて、第27番までは2kmほど。いきなりの急勾配を登ります。覚悟はしていたけど、辛い。

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しかし、やはり室戸の最御崎寺でふと思い当たった「滑り止め靴下」という足裏の痛みの原因、あれは正しかったようだ。ひどくなるばかりで、歩くのも立つのもしんどかった痛みが、少なくとも悪化はしていない様子。おかげでなんとか27番神峰寺にたどり着いた。

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ちなみに、どの札所でも目にするお供えの柄杓。真新しいこの写真のものが印象に残った。ご夫婦で5回目の遍路。車遍路だろうが、たくさんの柄杓に丁寧に南無大師...と手書きされてお供えされている。見つけたときは、ありがたく使わせていただく。

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さて、時間を短縮するなら室戸キラメッセに向かっておりたかったが、遍路みちの案内は、不動岩に向けてのようだ。すこし遠回りだが、迷うのもいやなので、したがった。

ふもとに下りると不動岩と、弘法大師の足跡(笑。。。いや笑ってはいけないかな)

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当然本物ではないが、こういった類の弘法大師の伝説は至る所に残っている。

たとえば弘法大師が腰掛けた岩、杖を突くと泉が湧き出た場所、一夜で掘られた井戸(井戸寺で見られる)など、これらは史実に基づくものはほとんどないとも言えるかもしれないが、大衆の弘法大師への信仰の厚さを、そこから感じるべきである。そもそも高野山の開祖で忙しかった42歳の弘法大師が、その時期に四国88ヵ所の基礎を築いた、ということ自体疑わしいといわれている。しかし重要なのは史実かフィクションかではなく、中国から大乗仏教の両部(割愛しますが)を2年で習得して持ち帰り、日本に密教真言宗)を広めた弘法大師の偉大な功績を、後世の我々が引き継いでいくことだと思う。

(以上、書籍で学びました)

神峰寺までは海岸線を行く。昨日と打って変わって、風もおとなしく顔をなでていく。雨もふったりやんだり。室戸岬の東と西でこうもちがうものか。昨日は北東から吹きつける風に背中を押されながら、時折、菅笠を飛ばされそうになりながら耐えたものだった。

途中、吉良川の昔ながらの街並みが美しい。

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こんな看板もあった(笑)

気持ちがこもっている、うんうん。

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雨の中をひたすら進む。15時過ぎの唐浜の電車に間に合うように、14時までに神峰寺に到着したかった。しかしやはり厳しい。早歩きは続けているが、最後ののぼりがかなりきつそうだ。16時過ぎの電車にターゲットを変えて急ぐ。

最後の神峰寺への登り。

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特に最後の1kmちょっとを急激に登るようだ。海沿いから海抜430mまで登るのだから、辛くないわけがない。途中すれ違った懐かしい古い車(車種はなんだったかな?)がうなりをあげて登っていく。姿が見えなくなってもうなり続けており、これは相当な勾配なんだろうと察しがつく。

車道を3,4回逸れて遍路道へと案内があるが、くねくねの車道をショートカットできる道である。しかし雨の中、石や土の遍路道は辛い。車道よりも更に急勾配。これを下ってくる遍路グループがいたが、かなり苦労している様子。私は帰りは遍路道は使わないことに決めた。早歩きをしたい僕にとって、こんな滑りやすい急勾配遍路道は大幅なタイムロスになる。遠回りしても車道をせかせか歩いたほうが断然速いし時間が読める。

もう少しで到着ということろで、またオランダ人のラルフと会った。彼とはこの後もまた会うのです。

なんとか神峰寺に到着。

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ローソクや線香を供えたり、開経文や般若心経もずいぶんスムーズにできるようになった。しかし、できれば諳んじれるようになりたい。いったん東京に帰ったら練習しよう。(この後、実際にiTuneで般若心経などをダウンロード。あるもんですね(笑))

さて、帰りは大日寺に向かう道をたどってふもとの唐浜駅に行くのみだ。下りだけ。16時過ぎの電車に余裕で間に合う。

雨も気にならない。雨の中、ひたすら下る。その途中で、数キロ手前の海岸沿いの遍路小屋で休憩していた人とすれ違う。そのとき一瞬(休憩しておしゃべりしようかな)と思ったのだが、早歩き遍路は簡単には止まれないのです。そのときは挨拶と会釈だけでした。

そのぽっちゃりポンチョおじさんが、「どちらからですか?」と声を掛けてくれた。

6日目で1番からきたというと驚かれていた。

彼も区切り打ちで、昨日から最御崎寺からスタートしたそうだ。お互いがんばりましょうねと励ましあって分かれた。本当に一瞬の会話だったが、彼と話せてよかった。笑うと目が見えなくなるぽっちゃり福顔の人だったな。

 

唐浜駅に着くと、またラルフがいる。

一緒に電車に乗って、地図を広げてどこで降りるのかを確認しあう。無人駅だったので車内で車掌さんから切符を買う。ラルフも勝手がわからず手伝ってあげた。

かれは日本には5,6回来ていて、いつも田舎しか来ないらしい。

お遍路は22番まで打ち終わり、今回が2回目の区切り打ち。明日は高知に3泊して周辺を打つそうだ。奥様も今度連れて来るそうで、息子は2人いて、そのどちらも一緒に日本に来たことがあるらしい。相当な日本の田舎フリークですね。

かれは高知駅まで、私はその手前の駅だったので、そこでお別れ。

助けてくれてありがとうと言われた。この一期一会がうれしいですね。

その後、まずは調べておいたファミリー銭湯へ。

垢を洗い落とし、ゆっくり湯船に使った。

ためしに電気風呂に入ると、ほんの少し進入しただけで、激痛!!!!

相当に足がやられている...

その後はバスまで時間がないので、銭湯に近い「やぽんすき」という地元で人気のステーキレストランへ。やぽんすき、ってロシア語で「日本人」じゃなかったっけ?

よくわからないネーミングだ。

しかし、地元に人気だけあって(食べログ情報)、お客さんがひっきりなし。

私は生中2杯とこのステーキで腹いっぱい。サラダ取り放題もありがたかった。

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コスパもいい。このステーキが1300円、300グラム。東京で安いといわれるいきなりステーキの6掛けぐらいかな。肉も悪くなかったです。

 

さて、その後バスに乗る前にコンビニでチューハイを買う。独立3列シートなので、1本くらい許してください(本当はマナー上、お酒は控えたほうがいいけど)

 

バスは意外に快適でした。

新宿駅に朝7時過ぎ到着。足を引きずり帰宅。

スパッツを脱ぐと、あらびっくり、右ひざがめちゃめちゃ腫れている。両足首から下もぱんぱん!体重は勝ったら62.4kg、お遍路で3kg近く太った?なんで?

悲しい。。。食べすぎか。

 

(結局、ジョグノートの友人がコメントくれたのですが、足のはれが収まるにつれ、体重は減るらしいです。そのとおり、その後、1週間で元の60kg弱に戻りました。よかったよかった。。。)

 

いったん、第1ターム終わります。

次は11月21日から10日間の予定。

いまの気持ちは、あまり気が進まない。。。

なにせ足の回復に10日以上を要した。その間、ほぼ走れず。。。

は~ 何でこんなことはじめちゃったのでしょうか。

 

つづく